ホームページに「お客様の声」を載せると効果はある?集め方・書いてもらい方・掲載時の注意点
「新メニューを載せても予約に繋がらない」——そんなとき追加すべきは新機能ではなく、すでにお店にある「お客様の声」かもしれません。集め方・書いてもらう頼み方・掲載時に必ず確認すべき法律上の注意点を、専門用語をできるだけ使わずに整理します。
執筆: おもてらいと編集部(ホームページ運用チーム)
「新メニューを載せてもなかなか予約に繋がらない」「他のお店と何が違うのか、うまく伝えられていない気がする」——ホームページを持つ中小事業者の方から、こうした相談をよくいただきます。実はこのとき、追加すべきなのは新しい機能ではなく、すでにお店にある「お客様の声」であることが多いです。
本記事では、ホームページに「お客様の声」を載せると本当に効果があるのか、どう集めればいいか、掲載時に気をつけるべき法律上の注意点まで、専門用語をできるだけ使わずに整理します。
先に、要点をまとめます。
- お客様の声は「第三者からの評価」として、事業者自身の説明よりも信頼されやすい。初めて訪れる見込み客の不安を減らす効果がある
- 集め方は「来店直後に一言もらう」「アンケートを渡す」の2通りが現実的。無理に長文を求めない
- 掲載前に本人の同意を得ること、実際にいただいた声のみを使うことが法律上も信頼面でも欠かせない
ただし、お客様の声さえ載せれば効果が出る、という単純な話ではありません。何件くらい必要か、どう書いてもらうと伝わるかは、後半で具体的に説明します。
ホームページにお客様の声を載せると、何が変わる?
初めて訪れた見込み客が抱く「本当に大丈夫か」という不安を減らし、問い合わせへの後押しになります。事業者自身がいくら「安心です」と書いても、その言葉自体は自己申告にすぎないためです。
ホームページの文章は、基本的にすべて事業者側が書いたものです。「丁寧に対応します」「安心してご相談ください」とどれだけ書いても、読んでいる人からすれば「そう言うのは当然」という受け止め方になりがちです。
一方、お客様の声は第三者の言葉です。実際に利用した人が「対応が丁寧だった」「相談しやすかった」と語っている場合、同じ内容でも受け止め方がまったく変わります。特に、価格や品質を他店と比べにくいサービス業(美容室・士業・教室など)ほど、この「第三者からの後押し」が意思決定に効きやすい傾向があります。
とはいえ、お客様の声を載せたからといって、必ず問い合わせが増えると断定はできません。効果の出方は業種やお客様の声の質によって変わります。大切なのは、「載せれば魔法のように効果が出る」ではなく、「事業者側の言葉だけでは埋められない信頼の部分を補う材料」として捉えることです。
お客様の声は何件くらい載せれば十分?
まずは3件から始めれば十分です。件数の多さより、異なる悩み・異なる業種のお客様の声がそろっているかのほうが重要です。
「何十件も集めないといけないのでは」と身構える方もいますが、そんなことはありません。まず3件、それぞれ違う角度からの声がそろえば、掲載を始める材料としては十分です。
理由は単純で、読む人は「自分と近い立場の声」を探しているからです。3件がすべて同じような内容(「感じが良かったです」だけ)よりも、次のように少しずつ角度が違うほうが、より多くの見込み客が「自分に近い」と感じやすくなります。
- 悩みの種類が違う声:初めて相談した方の声、長年のトラブルを解決した方の声
- 年代・立場が違う声:個人のお客様の声、法人のお客様の声
- 決め手が違う声:価格で選んだ方の声、対応の速さで選んだ方の声
件数を無理に増やそうとするより、まず3件を丁寧に集め、その後は新しいお客様との出会いのたびに少しずつ追加していく、という進め方が現実的です。
お客様の声は、どうやってお願いすれば集まる?
サービス提供の直後、まだ満足度が高いタイミングで、短い言葉でいいと伝えて依頼するのが一番集まりやすいタイミングです。
お客様の声が集まらない一番の原因は、「お願いするタイミングを逃している」ことです。会計が終わって慌ただしくなってから思い出しても、お客様はすでに次の予定に気持ちが向いています。依頼するなら、サービスが終わった直後、満足度が一番高いタイミングを逃さないことが重要です。
具体的な集め方は、大きく2通りあります。
①その場で一言もらう
施術や打ち合わせが終わった直後に、「差し支えなければ、ひとことご感想をいただけますか」と口頭でお願いし、その場でメモを取る、またはスマホのメモ機能に入力してもらう方法です。長い文章を求めず、「良かった点を一言」で十分だと伝えると、お客様の負担が減り、応じてもらいやすくなります。
②簡単なアンケート用紙やフォームを渡す
口頭でのお願いが苦手な業種(士業・教室など、比較的落ち着いた場面が多い業種)では、3〜4個の短い質問を用意したアンケート用紙やオンラインフォームを渡す方法が向いています。「①どんなお悩みで相談されましたか」「②実際に利用してみていかがでしたか」「③どんな方におすすめしたいですか」程度の質問であれば、答える側の負担も少なく済みます。
どちらの方法でも共通するのは、「長文で書いてください」とは絶対に頼まないことです。負担が大きいと感じた時点で、お客様の声そのものが集まらなくなります。一言、二言で十分だと最初に伝えることが、協力してもらえるかどうかの分かれ目になります。
集めたお客様の声は、どう書けば読む人に伝わる?
「どんな悩みで来たか」「利用してどう変わったか」「どんな人におすすめか」の3点が入っていると、自分ごととして読んでもらいやすくなります。
集まった声をそのまま「良かったです」の一言だけで載せても、読む人にはあまり響きません。同じ声でも、次の3点を補って整えると、格段に伝わりやすくなります。
- どんな悩み・状況で相談したか(例:「フリーランスになったばかりで、名刺代わりのホームページが欲しかった」)
- 利用してみてどう変わったか(例:「思っていたより早く公開でき、問い合わせフォームからの相談が増えた」)
- どんな人におすすめしたいか(例:「自分で更新を続けたい個人事業主の方には特におすすめだと思います」)
お客様が話してくれた内容がこの3点をすべて含んでいなくても問題ありません。事業者側で「差し支えなければ、どんなきっかけで相談されたか教えていただけますか」と一言添えて聞き直し、いただいた言葉を自然な形で整えるだけで十分です。ただし、お客様が実際に語っていない内容を付け加えたり、誇張したりすることは避けてください。次の章で説明する法律上の問題にも関わってきます。
写真を添えられる場合は、お客様の許可を得たうえで、施術後の様子や利用中の一コマなど、内容と関連する写真を選ぶと説得力が増します。撮影のコツはホームページの写真、スマホ撮影で十分?で紹介している自然光・背景・枚数の3基本がそのまま使えます。
お客様の声を掲載するとき、法律上気をつけることは?
「本人の同意を得ること」「実際にいただいた声のみを使うこと」「報酬や依頼をして書いてもらった場合は、その旨を明示すること」の3つが欠かせません。
お客様の声は信頼を高める強力な材料である一方、扱い方を誤ると法律上の問題や、発覚したときの信頼失墜につながります。次の3点は必ず押さえてください。
①掲載前に本人の同意を得る
氏名・写真・具体的なエピソードなど、個人が特定されうる情報を掲載する場合は、個人情報保護法の観点から、掲載前に本人の同意を得る必要があります。口頭での同意でも構いませんが、後から「載せるとは聞いていない」というトラブルを避けるため、「ホームページに掲載してもよいか」を一言確認し、可能であればメールやメモで記録を残しておくと安心です。匿名にしたい、イニシャルにしたい、といった希望があれば、その通りに対応してください。
②実際にいただいた声だけを使う
事業者側で「こう書いてあったら効果的だろう」と創作した文章を、あたかもお客様の声であるかのように掲載することは避けてください。景品表示法上の優良誤認表示(実際より著しく優れているように見せる表示)に該当するおそれがあるだけでなく、発覚した場合の信頼失墜は、得られる効果よりもはるかに大きな損失になります。
③謝礼や依頼をして書いてもらった声は、その旨を明示する
2023年に施行されたステルスマーケティング規制により、事業者が謝礼や依頼をして書いてもらった感想を、あたかも自然な第三者の声であるかのように掲載することは、不当表示として問題になり得ます。割引やプレゼントと引き換えに感想を依頼した場合は、「ご協力いただいたお客様の声です」のように、依頼・提供の事実がわかる形で明示してください。何の対価も伴わず、自然に寄せられた感想であれば、この明示は不要です。
これらはどれも難しいルールではなく、「事実をそのまま、正直に載せる」という一貫した姿勢さえ守れば自然にクリアできます。
お客様の声は、ホームページのどこに載せればいい?
トップページに1〜2件を抜粋し、専用ページに全件をまとめる形が、もっとも多くの事業者に向いています。
掲載場所に迷う場合は、次の2段構えが基本形です。
- トップページ:もっとも印象的な声を1〜2件、抜粋して掲載する。初めて訪れた人の目に留まりやすい位置に置く
- 専用ページ(お客様の声一覧):すべての声をまとめて掲載する。すでに興味を持った人が、より詳しく確認しに来る場所になる
サービスの種類が複数ある事業者(美容室でカット・カラー・トリートメントなど)は、それぞれのサービスに関連する声を近くに置くと、「自分が検討しているサービスの評判」として伝わりやすくなります。Googleビジネスプロフィールにも口コミ機能がありますが、こちらは第三者の管理下にあるため、自社のホームページに「実際にいただいた声」として整理して残しておくことにも別の意味があります。両者の役割分担についてはGoogleビジネスプロフィールとホームページの役割分担で詳しく解説しています。
お客様の声がまだ少ない場合、どうすればいい?
無理に今すぐ大量に集めようとせず、直近のお客様から1件ずつ、今日から依頼を始めれば十分です。
「開業したばかりで声がまだ少ない」「今まで依頼したことがなかった」という場合でも、焦る必要はありません。むしろ、これから来店・相談されるお客様一人ひとりに、サービス提供の直後に一言お願いする習慣を今日から始めることが、もっとも確実な近道です。
過去に対応したお客様で、特に満足度が高かったと感じる方に、今からでも連絡を取って依頼してみるのも一つの方法です。「先日はありがとうございました。差し支えなければ、ホームページに掲載する感想を一言いただけないでしょうか」という一言で、快く応じてくれる方は少なくありません。
新しい声をお知らせ欄で都度紹介していく運用も効果的です。「新しいお客様の声を掲載しました」という更新は、ホームページが動いていることを示す材料にもなります。お知らせの書き方はホームページの「お知らせ」欄、何を書けばいい?で詳しく解説しています。
まとめ:お客様の声は「集める仕組み」があれば無理なく続く
この記事で持ち帰れることは、次の3つです。
- お客様の声は、事業者自身の言葉では埋められない「第三者からの信頼」を補う材料になること
- サービス直後の一言依頼、または簡単なアンケートという、負担の少ない集め方があること
- 同意取得・実際の声のみ使用・依頼した場合の明示という、3つの法律上の注意点を守れば安心して掲載できること
お客様の声は、一度に大量に用意する必要はありません。まず3件、直近のお客様に一言お願いするところから始めれば十分です。
今日からできる小さな一歩として、直近でサービスを提供したお客様を1人思い浮かべ、「差し支えなければ、ひとことご感想をいただけますか」と依頼する場面を想像してみてください。それが、お客様の声を集める運用の第一歩になります。
おもてらいとは、お客様の声のようなコンテンツも、専用の入力欄から数分で追加できるホームページ作成SaaSです。無料で登録して、実際の画面でお客様の声のページを試してみてください。料金プランの詳細は料金一覧からご覧いただけます。
よくある質問
Q. お客様の声は何件から掲載を始めればいいですか?
まず3件から始めれば十分です。悩みの種類・年代や立場・決め手が異なる声を3件そろえると、より多くの見込み客が「自分に近い」と感じやすくなります。
Q. お客様の声を集めるのに、謝礼は必要ですか?
必須ではありません。サービス直後に一言お願いするだけで応じてくれる方も多くいます。ただし、割引やプレゼントなど謝礼と引き換えに依頼する場合は、その旨を明示する必要があります。
Q. 匿名やイニシャルでの掲載は可能ですか?
可能です。お客様の希望に沿って、氏名を出さずイニシャルや「〇〇様」といった形で掲載しても構いません。掲載の可否や表記方法は、依頼する時点で必ず本人に確認してください。
Q. 悪い内容の声が来たら、どう対応すればいいですか?
無理に掲載する必要はありません。お客様の声は「掲載してよいと同意いただいたもの」だけを選んで使えます。改善点として社内で受け止め、掲載する声は前向きな内容を中心に選んで構いません。
Q. お客様の声は、写真がないと効果がありませんか?
写真がなくても、文章だけで十分に効果があります。写真を添えられる場合は説得力が増しますが、必須ではありません。お客様の許可が得られる場合のみ、無理なく添えてください。
Related
関連記事
SNSだけで集客は足りる?ホームページとの役割分担と、両方持つべき判断基準
「InstagramやLINEをやっているから、ホームページはなくてもいいのでは」——結論、SNSとホームページは役割が違うため置き換え合いません。SNSは知ってもらう入口、ホームページは確かめてもらう着地点です。両方持つべき判断基準と、つなぎ方を解説します。
ペットサロン・トリミングサロンにホームページは必要?Instagramとの役割分担と動物取扱業の表示義務
結論、Instagramで日々の施術写真を発信していても、動物取扱業の登録者は広告に登録番号等の掲載が動物愛護管理法の基準省令で義務付けられているため、その表示を体系立てて置く場所が必要です。ペットサロン・トリミングサロンにホームページが必要な理由と、最低限そろえるページ、動物取扱業の広告表示ルールを整理します。
工務店にホームページは必要?ポータルサイト・SNSとの役割分担と施工事例の見せ方
結論、注文住宅・リフォームの検討者は契約前に必ず会社名で検索して確認するため、ポータルサイトやSNSだけでは信頼の最終確認ができません。工務店にホームページが必要な理由と、最低限そろえるページ、施工事例を載せるときに気をつけたい建設業法・景品表示法の表示ルールを整理します。